移動平均線はバイナリーオプションのトレードにおいて使用している人が多く、トレンドや相場についての理解が深まるきっかけにもなるインジケーターです。
この記事では、バイナリーオプションの移動平均線とは何なのかと、その使い方について解説していきます。
目次
移動平均線とは
移動平均線とは、テクニカル分析に使用される最も基本となる指標の1つです。
為替相場の加熟度やトレンドを判断するために役立っています。
一定期間の終値の平均値を平滑化して線を引くことで表示することができます。
移動平均線の分析では、移動平均線とともにローソク足も使われています。
この足型は4本値(始値・高値・安値・終値)を使用しローソクの形に表したチャートです。
始値よりも終値の方が高いものを陽線といい、始値よりも終値の方が安いものを陰線と言います。
この陰線と陽線そのものを実体といいます。
また安値と高値は上下に突き出したヒゲと呼ばれる線で表します。
ローソク足には分足、時間足、日足、週足、月足、年足などの種類があります。
移動平均線の種類
移動平均線の種類は1つではなく、使う人や相場の動き方などで細かく使い分けるために、いくつかの種類があります。
代表的なものには、
- 単純移動平均線(SMAまたはMA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
- 加重移動平均線(WMA)
があります。
単純移動平均線(SMAまたはMA)
単純移動平均線は、シンプルに直近の指定した時間軸の終値の平均を繋いだ線のことで、指定した期間の平均を取ることでいつでも当てはめることができます。
単純移動平均は最も一般的な移動平均線のことで、「移動平均線」といわれて想像されるのは単純移動平均線のことでしょう。
単純移動平均線の長所は、大きなトレンドを掴みやすいところにあります。
しかし短所として、直近の市場の動きから少々遅れてしまうことがあります。
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線は、過去の値動きより直近の価格に重きを置くため、今に近い価格の値動きをより高度に分析する移動平均線のことです。
トレンドの転換時を早く気づくことができるため、トレンドの転換を判断するために役に立っています。
指数平滑移動平均線の長所は、直近トレンドの把握することが他の移動平均線より容易です。
短所としては、反応が良いため騙しのサインにも反応してしまうところです。
騙しがあるため、バイナリーオプションのツール等で勝率が100%にならないという訳です。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線は、単純移動平均線と比べて直近の価格に比重を置いた移動平均線です。
直近の価格を重視しているため、トレンドの転換を早めに知ることができます。
加重移動平均線は指数平滑移動平均線と比較して『過去のレート』への比重を下げているため、同じ『直近の価格を重視している点』があったとしても、移動平均線の動きが異なる場合があります。
加重移動平均線の長所は、緩やかな上昇相場や下降相場で最も安定すると言われています。
しかし、レンジ相場や急激な変化のある相場では役に立たない事があるという短所があります。
上記のような長所短所があるので、用途に合わせて使用していきましょう。
移動平均線の設定
移動平均線の設定は、設定する数字が多いので初めのうちは戸惑うかもしれません。
取引方法や期間に合わせて設定するので分かりやすいように紹介していきます。
MT4(MetaTrader4)での設定方法を解説するので、もしも導入していない方はXMのMT4をおすすめします。
まず、使用する時間足に対しての設定です。
バイナリーオプションでは下位足のみをみてトレードをしがちですが、上位足を見る事も必要です。
4、8、12、16、20、24、48、64、96など
1時間足
4、8、12、24、36、48、72、96、120など
日足
5日、10日、20日、21日、25日、50日、75日、100日、200日など
週足
13週、26週、52週など
月足
12ヶ月、24ヶ月、60ヶ月など
15分足で8本の期間の場合は、2時間分の移動平均線が表示されます。
1時間足で24本の期間の場合は、1日分の移動平均線が表示されます。
日足で5本の期間の場合は、5日分(1週間分)の移動平均線が表示されます。
また、1つのチャートに「長期移動平均線」「中期移動平均線」「短期移動平均線」を入れるとエントリーポイントなどがわかりやすくなります。
設定方法を紹介すると
・中期移動平均線: 20、25、75
・短期移動平均線: 5、8、12
設定すると、画像のように三本の線が表示されるはずです。
また、MT4で移動平均線を設定する場合
になります。
指数移動平均線(EMA):MT4の表記は「Exponential」
加重移動平均線(WMA):MT4の表記は「LinearWeighted」
移動平均線の使い方
ここまでは移動平均線そのものについて解説してきましたが、ここからは移動平均線の使い方を解説していきます。
まず、最も基本的な使い方としては、
反対に、下に推移していた場合は下降トレンドである可能性が高いという事です。
また、移動平均線の傾きで、トレンドの強さ、勢いが分かります。
上向きなら上昇トレンドで、下向きなら下降トレンドです。
このとき、傾きが大きければ大きいほど相場の勢いは強いです。
横ばいの場合はレンジ相場になります。
また、相場の勢いは移動平均線に対しての乖離率でも分かり、乖離率が高いとトレンドの勢いも強く、移動平均線に近いと緩やかなトレンドになります。
では、実際に移動平均線を使用したときのエントリーポイントを紹介していきます。
HIGH(買い)のエントリー方法
1. 移動平均線が上昇し、ローソク足が移動平均線を下から上へ突き抜ける
2. 移動平均線が上昇している時に、乖離していたローソク足が移動平均線にふれ、再び上昇する時
3. ローソク足が移動平均線を下回っても、移動平均線が上昇している
4. 上昇中の移動平均線に近づいてきても、移動平均線を下回ることなく再び上昇したとき
5. 下向きの移動平均線からローソク足の乖離率が高い時
6. 長期移動平均線と短期移動平均線がゴールデンクロスしたとき
LOW(売り)のエントリー方法
1. 移動平均線が下落に転じ、ローソク足が移動平均線を上から下へ突き抜ける
7. 移動平均線が下落している時に、乖離していたローソク足が移動平均線にふれ、再び下落する時
8. ローソク足が移動平均線を上回っても、移動平均線が下降している
9. 下降中の移動平均線に近づいてきても、移動平均線を上回ることなく再び下落したとき
10. 上向きの移動平均線からローソク足の乖離率が高い時
11. 長期移動平均線と短期移動平均線がデッドクロスしたとき
なぜ、上記のようなエントリーができるかというと、移動平均線はトレンド状態の時にレジスタンスライン又は、サポートラインのように機能することがあるため、エントリーをするができます。
まず、レジスタンスラインとサポートラインについて、おさらいしておきましょう。
レジスタンスラインとサポートライン
レジスタンスラインとは、別名「上値抵抗線」と言われています。
価格が上昇してレジスタンスラインに近づくと、そのラインを超えて価格が上昇しないように圧力がかかります。
つまり、「上値」を超えないように「抵抗」圧力が働く線ということです。
サポートラインとは、別名「下値支持線」とも言います。
価格が「下値」のラインを越えて下がらないように「支持」する力が働くので、「下値支持線」です。
レジサポラインは上記のように機能します。
レジサポラインが機能した場合、
1、2、7、8は、エントリーをすることができます。
レジサポラインは基本的にレジサポラインで反発させようとする勢力があるため、レジサポラインが存在しますが、レジサポラインを超えてしまうと片方の勢力が優位になってしまいます。
そのため、レジサポラインを超えると相場の勢いが増し、順張りの手法でエントリーできるのです。
このことが1と7でエントリーできる根拠となります。
また2と8はレジサポラインの反発する勢力の存在によりエントリーすることができます。
6と12は、長期移動平均線がトレンドの始まりと終わりの根拠として機能しやすいです。
長期移動平均線と短期移動平均線がゴールデンクロスした場合、上昇トレンドの始まりです。
その後移動平均線の傾きが落ち着き、長期移動平均線と短期移動平均線がデッドクロスしたら、上昇トレンドは終わって下降トレンドが始まる傾向にあります。
移動平均線はエントリーポイントが分かりやすく数も多いため、騙しが多く存在します。
そのため、MACDなどのオシレーター系のインジケーターとともに使用することをお勧めします。
まとめ
移動平均線はバイナリーオプションでも使用している人が多く、トレンドや相場についての理解が深まるきっかけにもなるインジケーターです。
そのため、これからバイナリーオプションをする人は、まず移動平均線を使用してみましょう。
移動平均線に慣れたら、ほかのインジケーターと組み合わせて自分独自のロジックをつくっていきましょう。