CCIは「売られすぎ」「買われすぎ」を判断するためのオシレーター系インジケーターです。
知名度はあまり高くありませんが、CCIは直近の相場状況を掴むのに適している優秀なインジケーターです。
この記事ではCCIを使用した相場分析方法とそれに伴う基礎知識を解説した後に、CCIを使ったトレード方法を紹介していきます。
目次
CCIとは
CCIとは、「Commodity Channel Index」を略したもので、1980年にアメリカのドナルド・M・ランバートによって開発されたオシレーター系のテクニカル指標です。
CCIは市場の「売られすぎ」「買われすぎ」を判断し、相場の方向性を決めていくものになります。
CCIは「価格推移の上下には一定のサイクルが存在する」という考えに基づいて設計されています。
現在の推移が統計的な標準値とどのくらい離れているかを判断してエントリーをするのがCCIやRSIを含めたオシレーター系インジケーターの使い方になります。
CCIは価格変動と現在価格の乖離率を可視化する事のできる指標です。
CCIの計算式は
CCI = (HLO - HLOのN日単純移動平均) ÷ N日平均偏差 ÷ 0.015
HLO = (当日高値 + 当日安値 + 当日終値) ÷ 3
N日平均偏差 = (HLO - HLOのN日単純移動平均)の絶対値のN日単純移動平均
N=14あるいは20
CCIの特徴
最大値と最小値が存在しない
CCIの特徴として、ストキャスティクスやRSIなどのオシレーター系インジケーターとは違い、0や100などの最大、最小値がありません。
多くのオシレーターの数値が-100~100が範囲として設定されていますが、CCIは数値が100を超えることもしばしばあります。
反対に-100以下に位置する場合、相場は売られすぎだと判断します。
色々なインジケーターとの組み合わせが可能
CCIはいろいろなインジケーターとの組み合わせが可能なインジケーターです。
CCIは順張りと逆張りの両方のエントリーサインとなり、エントリー基準はRSIに似たものになりますが、他と組み合わせることによってより効果的となります。
順張りと逆張り両方のエントリーサインとして使えるのはインジケーターの中でも珍しくて貴重です。
CCIを使用するメリット
値動きに対しての反応が早い
CCIはシグナルの発生が早いことで一部のトレーダーを中心に人気のある指標で、反応が早いといわれているEMA(指数移動平均)よりも早いのが最大のメリットです。
シグナルの発生が非常に早いことからトレンド転換を一早く察知するのに役立ちます。
現在の推移がリアルタイムで買われすぎか売られすぎかをチェックすることができます。
期間設定200日の単純移動平均線の場合、1日前の価格も200日前の価格も平等に扱う反面、EMAでは直近の価格を重視して「今」の値動きを特に反映させた平均線です。
逆張りとしても順張りとしても使える
オシレーター系インジケーターは「売られすぎ」「買われすぎ」を示すため、逆張りのインジケーターとして使うのが一般的です。
しかしCCIはトレンド確認にも使えるので、トレンドを確認することができれば順張りのトレード(エントリーサイン)としての使用することができます。
CCIを使用するデメリット
反応が早すぎるため騙しになることがある
CCIは反応が早いといわれているEMAよりも反応が早いことで人気の指標ですが、反応が早いということはダマシが多いことの裏返しでもあります。
CCIの期間を短くすればするほど反応が早い反面ダマシが多くなるので、自身の投資方針に沿ったバランスを考える必要があります。
指標に上限がないので天井と底が見えない
CCIは±100の基準はあるものの制限がありませんので、数値が100を超えていくこともあり得ます。
時には200、300といった数値にまで達することもしばしば起こります。
数値が反転し100まで戻ってきたところでエントリーするなど、他のオシレーターとは逆張りのエントリータイミングか異なりますので注意が必要です。
CCIの注意点
CCIを使用する際にはダイバージェンスに注意する必要があります。
ダイバージェンスとは「相場とCCIの数値が逆行する現象」のことを言います。
例えば、CCIの%は下降しているのにも関わらず、相場の価格は上がり続けているとき、ダイバージェンスが発生しています。
ダイバージェンスが発生する主な原因としては「急激な価格変動」が挙げられます。
このダイバージェンスはトレンドの勢いが弱まっていることを示しており、トレンドの転換が近いことを知らせるサインとなります。
つまりは、ダイバージェンスが発生している場合、CCIが動いている方向(上記の場合は下降)にトレンドが転換するというサインです。
トレード方法
CCIは順張りでのトレードでも逆張りでのトレードでも使用可能なインジケーターになります。
設定方法(MT4)
上の画像のように、
「挿入 → 「インディケータ」 → 「オシレーター」 → 「Commodity Channel Index」
から設定することができます。
パラメータは特にこだわりがなければ上の画像のように期間14で設定するのがおすすめです。
順張りとは
順張りとは、トレンドに沿った形でエントリーする手法のことを言います。
つまり、
- 相場が上昇局面になっている場合にHIGH(買い)のエントリー
- 相場が下降局面になっている場合にLOW(売り)のエントリー
を行う手法のことです。
FXや株式投資でも王道とされていて、順張りのためのさまざまな投資理論が考案されています。
逆張りとは
逆張りとは、トレンドの反対方向にかける取引手法のことを言います。
つまり、
- 相場が上昇局面になっている場合にLOW(売り)のエントリー
- 相場が下降局面になっている場合にHIGH(買い)のエントリー
を行う手法のことです。
なぜこのような取引方法が成立するのかというと、
相場は「売られすぎ」「買われすぎ」の状態になると、その状態から相場を元に戻そうとする力が働くためです。
「逆張り」は順張りと違いトレンドが無ければ取引できないわけではなく、
ボックス相場やレンジでも取引が出来るという強みがあり、
順張りよりもエントリーポイントが多いのが特徴です。
順張りでエントリーする場合
CCIは、1~100の間を推移していた場合は買いが優勢な相場であり、-1~-100の間で推移していた場合は売りが優勢な相場という状況になります。
さらに100あるいは-100を超えると相場は強いトレンド状態であることを示し、順張りの恰好のエントリーポイントです。
CCIの順張りエントリーポイント
HIGH(買い)のエントリーをする場合、CCIの推移が100以上になったときがエントリーポイントです。
エントリーする際にはゴールデンクロスをイメージすると分かりやすいです。
LOW(売り)のエントリーをする場合、CCIの推移が-100以下になったときがエントリーポイントです。
エントリーする際にはデッドクロスをイメージすると分かりやすいです。
逆張りでエントリーする場合
逆張りの場合、まずレンジ相場であることを確認する必要があります。
このとき他のインジケーターと組み合わせて判断するといいでしょう。
CCIの逆張りは基本的にはRSIと似たエントリーの方法を取ります。
しかし、RSIとCCIの最大の違いは天井や底が存在していないという点です。
CCIの数値が大きくなればなるほど反発する力が強くなります。
RSIの使い方については以下の記事もご覧ください。
CCIの逆張りエントリーポイント
HIGH(買い)のエントリーをする場合、まずは相場がレンジ相場であるのを確認します。
レンジ相場の確認後、CCIの数値が-200以下になった場合エントリーします。
LOW(売り)のエントリーをする場合、まずは相場がレンジ相場であるのを確認します。
レンジ相場の確認後、CCIの数値が200以上になった場合にエントリーします。
CCIで逆張りエントリーする場合、鋭角で推移しているとさらに信用が高いサインになります。
トレードの際の注意点
CCIは相場の状況を素早く分析するインジケーターの為、どうしても騙しが多く存在してしまいます。
そのため、CCIでエントリーする場合はエントリーする時の「根拠」がより多く必要になります。
根拠を多く作るためには他のインジケーターと組み合わせる必要があります。
また、CCIのみではトレンドの状況を把握することはできません。
トレンドの判断はCCI以外の指標を使用しましょう。
ボリンジャーバンドやRSIなどのトレンド分析として使えるツールと組み合わせるのがおすすめです。
まとめ
CCIは「売られすぎ」「買われすぎ」を判断するためのオシレーター系インジケーターです。
順張りにも逆張りにもエントリーサインとして使える珍しいインジケーターです。
CCIでのエントリー基準はRSIに似たものになりますが、他のインジケーターと組み合わせることによって真価を発揮します。
ボリンジャーバンドやRSIなど人気のインジケーターと相性がいいので、皆さんもCCIを取引手法に組み入れてみてください。