バイナリーオプションを攻略するにおいて、基礎的な知識を持っておくのは必須です。
必勝法やシグナルツールに任せたトレードではいずれは限界が見えてしまいます。
本記事では、攻略になり得る知識を網羅的に紹介していきます。
バイナリーオプション自体をよく知らない方には以下の記事がオススメです。
目次
バイナリーオプションについて
バイナリーオプションとは
バイナリーオプションとは、二者択一方式の「投資」です。
相場を見極めて、それぞれHIGH(買い)のエントリー・LOW(売り)のエントリーをして、判定時刻にエントリーした時点より、価格が高いか低いかを予測する取引方法です。
数分後もしくは、数十秒後に為替相場がどうなるかを予測して、その予想が当たれば投資額が1.88倍~2倍になり、外れれば投資額が0円になるというシンプルな投資です。
バイナリーオプションは、「丁半博打」と同じように思われるかもしれませんが、それは何も考えずにバイナリーオプションをしていた場合の話です。
丁半博打とは、サイコロをツボの中で2つ振り、2つのサイコロの和が偶数か奇数かというものです。
勝ったら2倍で負けたら0円、ここはバイナリーオプションと変わりませんが、分析し予測できる点に関してはバイナリーオプションと丁半博打と違う所で、勝率が50%以上にすることが可能になります。
バイナリーオプションとFXの違い
バイナリーオプションとFXの違いは以下のようなものがあります。
・金額が安くても手を出せる
バイナリーオプションはFXと違い最小金額1000円から投資することができます。
・資金管理しやすい
バイナリーオプションはFXよりも資金管理しやすいです。
バイナリーオプションの投資金額はかけた分だけなので、損益の計算が簡単なため資金管理も容易に行えます。
・決済に対しての見極めが必要ない
FXの場合、利益や損益が生まれてもその後利食い損切りをするかの判断が必要になります。
しかし、バイナリーオプションは時間で区切られているため、利食い損切りの判断は必要ないということです。
・追加証拠金がない
FXでは証拠金がマイナスになった場合、追加証拠金が必要になります。
しかし、バイナリーオプションは賭け金以上の損失が生じないため、追加証拠金を求められることはありません。
・豊富な投資機会
レンジ相場でもトレンド相場でも同じ条件での取引が可能で、利益を生みやすい取引機会が豊富にあります。
ローソク足とは
ローソク足とは日本のチャートの代表であり、世界で一番精巧に工夫されている罫線です。
この足型は4本値(始値・高値・安値・終値)を使用しローソクの形に表したチャートです。
始値よりも終値の方が高いものを陽線といい、始値よりも終値の方が安いのを陰線と言い表します。
この陰線と陽線そのものを実体といいます。
また安値と高値は上下に突き出したヒゲと呼ばれる線で表します。
ローソク足には分足、時間足、日足、週足、月足、年足などの種類があります。
ローソク足の実体の上についた線を「上ヒゲ」、下についた線を「下ヒゲ」といいます。
ヒゲのついていないローソク足は「丸坊主」といいます。
ヒゲと実体の長さで相場の動きや相場の大まかな強さを見ることができます。
トレンド(ダウ理論)とは
トレンドはダウ理論に基づいて考えられています。
ダウ理論とは、チャールズ・H・ダウが19世紀末に「ウォール・ストリート・ジャーナル」に執筆した6つの基本法則を述べた理論です。
テクニカル分析の元祖とも呼ばれる6つの基本的法則に沿って定められています。
6つの基本的法則を紹介する前に、相場がどのように動いているのか紹介します。
バイナリーオプションだけにかかわらず、為替相場をみてトレードをする場合、トレードは「投資家心理」を読み解くことが重要です。
為替相場が動き続けることでチャートというものが存在します。
そのチャートの裏側には3種類に分類される人たちが心理戦を繰り広げています。
3種類の投資家
市場で心理戦をしている3種類の投資家は以下のように分類されます。
・ロングポジションを持っている人
ロングポジションとは、バイナリーオプションでいうHIGH(買い)のエントリーをしている状態です。
つまり相場が上がると利益が出る投資家です。
・ショートポジションを持っている人
ショートポジションとは、バイナリーオプションでいうLOW(売り)のエントリーをしている状態です。
つまり相場が下落すると利益が出る投資家です。
・ポジションを持っていない人
まだエントリーをしていない状態なので、相場を見てエントリーをしようとしている投資家です。
バイナリーオプションで勝つ方法は、今の相場が「買いが優勢か」「売りが優勢か」「売りと買いが均衡しているのか」を判断してトレードをすることです。
それでは6つの基本的法則を紹介していきます。
トレンド(ダウ理論)の6つの法則
法則1. 相場はすべての事象を織り込んでいる
ファンダメンタルもテクニカルも市場に参加している人の心理もすべてひっくるめて、
チャートの値動きにすべての情報は織り込み済みで価格が形成されています。
法則2. トレンドには3種類ある
以下の3種類のサイクルでトレンドは形成されています。
長期トレンド:1年~数年のサイクル
中期トレンド:3週間~3ヶ月のサイクル
短期トレンド:3週間未満のサイクル
法則3. 主要トレンドは3段階からなる
トレンドには「先行期」「追随期」「利食い期」の3段階があります。
利食い期にはトレンド反転の兆候として、ボラティリティの低下やレンジ形成が見られたりします。
法則4. 相場は相互に確認されなければならない
複数の平均的なテクニカル指標を使用した時に、
両方のテクニカル指標で同じシグナルが見られない限りは明らかなトレンドと判断できないというものです。
法則5. トレンドは出来高でも確認されなければならない
出来高が大きいときはボラティリティが大きいケースが多いです。
このような時点で発生したトレンドは信憑性が高いとされています。
法則6. トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
節目となる価格でのシグナルが出ない限りはトレンドは反転しにくいという法則です。
気になるトレンドの変換点ですが、トレンドには「大きなトレンド(マクロ)」と「小さなトレンド(ミクロ)」の2つのスパンがあります。
小さなトレンドの安値(高値)が前回の小さなトレンドのダウン(アップ)の安値(高値)を更新したとき、大きなトレンドが変わっているとします。
大きなトレンドは継続する可能性が高いため、より信頼性のあるトレンドです。
また、ダウ理論に基づいて定義されるトレンドは2種類とされています。
・下降トレンド(ダウン)
です。
トレンドが無いときやトレンドが崩壊して方向性が無いときは
と呼ばれています。
チャートパターンとは
チャートパターンとは、その相場がチャート上に形成するパターンであり、形成した形によってその後の傾向や予測をすることが可能となるものです。
その種類として、
・ダブルボトム
・三尊天井
・ペナント
がパターンの一例となります。
ダブルトップ
ダブルトップは一度高値を付けた後に「底値まで下落」→「反発」→「再び高値をつけて下げ戻す」というパターンです。
山が二つできたような形をとり、さらに2つの山がほぼ同水準になるというものです。
ダブルボトム
ダブルトップを綺麗に反対にして谷が2つできたものを「ダブルボトム」といいます。
三尊天井
ダブルトップの山を3つにして、さらに真ん中の山が一番高くなるようなパターンを「三尊天井」といいます。
これが反対になっているものを「逆三尊」といいます。
ペナント
ペナントは「三角もちあい」とも言われます。
ある程度のレンジに推移していたのが、次第にある一定の価格帯に収束していくものです。
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析
バイナリーオプションを初めて、少し勉強をしてみると分析方法として、
「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の2種類の分析方法があるのが分かります。
まずは、テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析がどのようなものか紹介していきます。
テクニカル分析とは?
テクニカル分析は、インジケーターや編み出されたロジックを使いチャートをみてトレードをする戦略的取引方法です。
チャートの過去の価格と値動きから、将来の価格や値動きを予測しエントリーポイントを判断する手法です。
テクニカル分析は短期的取引に強く、バイナリーオプションでのトレードで重要視されるポイントです。
RSIやストキャスティクス、MACDといったインジケーターを使用して、数字をチャート上の図で分かりやすく表現されています。
テクニカル分析の種類
テクニカル分析には2つの種類があります。
・トレンド分析
・オシレーター分析
トレンド分析とは?
相場のトレンド(売買の優勢が付いている)が上昇トレンドであるか下降トレンドであることを判断し、トレンド市場に適したインジケーターを使用しトレードをすることです。
トレンド分析に適しているインジケーターは、
・一目均衡表
・移動平均線
・ボリンジャーバンド
などがあります。
オシレーター分析とは?
オシレーター分析とは、トレンド分析と違い相場の強弱を測定することをいいます。
オシレーター分析に適しているインジケーターは、
・ストキャスティクス
・MACD
などがあります。
ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析は、
から、今後の経済の動きや値動きを予測して取引する手法です。
また、ファンダメンタルズは日本語で「経済の基礎的諸条件」といいます。
ここでファンダメンタルズ分析に関係がある要素をまとめました。
・政権交代
・要人発言
・企業業績
・自然災害
・技術革新
上記の6点がファンダメンタルズ分析には大きく関係しています。
また、為替に特に大きな影響を及ぼすような経済指標やイベントも紹介しておきます。
- 雇用統計
- 米国FOMC政策金利
- GDPなどの経済指標発表
- 大統領選挙
- FRB議長やECB総裁の発言(要人発言)
などが大きな影響力を持っています。
インジケーターとは
インジケーターとは、
為替相場の様々なデータを計算式で加工し、エントリーポイントを判断するためのテクニカル指標
です。
主にテクニカル分析の際に使われ、エントリーポイントを判断するだけでなく、相場の優劣や傾向を判断する為にも使われます。
インジケーターの種類は多数ありますが、その中でも人気の高いインジケーターである
・MACD
・ストキャスティクス
・ボリンジャーバンド
これらを紹介していきます。
RSI
RSIは、過去の値動きに対する上昇幅の割合をグラフ化したものであり、為替の「売られすぎ」「買われすぎ」を判断するオシレーターです。
RSIの計算には以下の計算式を使用します。
「RSI」=(一定期間の上げ幅の合計とします)
÷(一定期間の上げ幅の合計+一定期間の下げ幅)×100(%)
MACD
MACDは、2本の移動平均線を使用した相場の周期とタイミングを捉えるためのオシレーターです。
下記のように計算式は難しい印象ですが、移動平均線よりも少し難しくなった程度のとても見やすいオシレーターです。
EMA:指数平滑移動平均
EMA=α×当日の終値+(1—α)×前日のEMA(計算起点の場合は単純平均)
α=2/(n+1)
※nは計算期間(5日EMAであればn=5、10日EMAであればn=10)
・シグナル=MACDのxx日移動平均
ストキャスティクス
ストキャスティクスは、RSIと同じく相場の「売られすぎ」「買われすぎ」の状態を判断するオシレーターです。
さらに、一定期間の価格のレンジ(最高値−最安値)の中で直近の終値が相対的にどのレベル(その何%の位置)に位置しているか見ることができます。
ストキャスティクスの%K、%D、SD算出式は下記の通りになっています。
%Kラインの算出式
%K=[(C-Ln)/(Hn-Ln)]×100%
C:直近の終値
Ln:過去n日間の最安値
Hn:過去n日間の最高値
※ほとんどの場合、nには5,9,14の値を取ります。
%Dラインの算出式
%D=(Hm/Lm)×100%
Hm:(C-Ln)のm日間合計
Lm:(Hn-Ln)のm日間合計
※ほとんどの場合、mは3の値を取ります。
SDラインの算出式
SD=%Dのm日間の移動平均
※ほとんどの場合、mは3の値を取ります。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、標準偏差という相場の変動の大きさを表す数値を用いた統計学に基づいたインジケーターです。
標準偏差 = √(n × n日間の終値の2乗の合計 − n日間の終値の合計の2乗) ÷ (n×(n−1))
そして、
±2σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2
±3σ = n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3
の式を使用します。
トレード手法とは
トレードの手法は、究極的には「順張り」と「逆張り」の2種類に分類されます。
順張り
トレンドと同じ方向へと「買い」もしくは「売り」で取引を行う手法です。
相場が上昇局面になっている場合にHIGH(買い)のエントリー、
相場が下降局面になっている場合にLOW(売り)でエントリー、
を行う手法のことです。
逆張り
逆張りとは、順張りと反対に、現在動いている値動きに対して反対の方向にエントリーする取引方法です。
相場が上昇局面になっている場合にLOW(売り)のエントリー、
相場が下降局面になっている場合にHIGH(買い)でエントリー、
を行う手法のことです。
注意点
バイナリーオプションを攻略するには、使用するインジケーターやロジックに存在するリスクやメンタル管理など、どのようなことに気を付けるべきか把握しておく必要があります。
資金管理
資金管理とは「一回当たりのトレードで使用する金額を設定すること」です。
この1回というのはマーチンゲール法も含めた回数で、エントリー1回分と言う訳ではありません。
マーチンゲール法とは、エントリーを1回して負けてしまった場合、次のエントリーでは1回目の倍額賭けるというものです。
つまり1万円で負けたら次回は2万円、2万円の次は4万円となっていきます。
マーチンゲール法ではいつか負けを取り返せると思ってしまいますが、その実態はトレードの罠になります。
なぜならば、マーチンゲール法を使えば、勝率を引き上げる事が可能だからです。
基本的に、一回当たりのトレードで、総資産の5~10%にしましょう。
つまり、10万円の資産があるとするならば、一回当たりのトレードは1万円以下にしましょう。
10%以下にする理由は、負けた時でも長期的なスパンで見たときに、取り返せる額の範囲だからです。
マーチンゲール法を使用する場合、
一回目 1000円
二回目 2500円
三回目 5000円 マーチンゲール法2回で合計8500円です。
ツールを使っているから大丈夫、マーチンゲール法だからいつかプラスになる、と博打を踏まないようにしましょう。
稼いでいるトレーダーさんであればあるほど、資金管理が上手です。
メンタル管理
メンタル管理とは、取引をする際に感情でエントリーをしないということです。
「勝てているはずなのに思ったように利益が出ていない」
など、勝てているはずのトレードなのに勝てていない人が多々いると思います。
そのような人がしばしば該当するのが感情でトレードしているという事です。
獲得したロジックやサインツールで地道にトレードしていれば、多くはなくても利益は生まれているはずです。
しかし、たまに負けた時にヤケクソになって負けを取り戻そうとしたりすると、負けを広げてしまう原因になります。
さらに、現状の戦略を維持すれば確実に勝てそうな時、ついつい感情的に買い増ししてしまうと逆転負けしてしまうこともあります。
つまり、欲や感情を含めてトレードをすると、それぞれの勝負で負けやすくなり、さらに負けた時には大幅な損失を出している恐れがあります。
また、自己裁量でトレードしている場合は、体調が悪かったり精神的に安定してない時のトレードもおすすめしません。
これは該当する人全員というわけではありませんが、普段見ているサインを見逃したり、変にヤケクソになったりと注意力散漫になる場合があります。
勝てなかった時でも「最終的にプラスになれば大丈夫」「勝率55%以上いけば利益は出る」という考え方を忘れないようにしましょう。
時間管理
それぞれ相場には
「比較的動きが緩やかな時間帯」
「まったく値動きしない時間帯」
が存在します。
代表的な市場として三大為替市場があり
- 東京市場
- ロンドン市場
- ニューヨーク市場
があります。
東京市場
東京市場は「東京時間」ともいい、日本時間で午前9時から午後5時までのことです。
この時間帯が東京時間と言われているのは日本の経済活動が活発な時間だからです。
もっと相場に関係する言い方をすれば
世界で三大為替市場のひとつである東京市場が開いてから次のロンドン市場が開くまでの時間
のことです。
ロンドン市場
ロンドン市場は「ロンドン時間」ともいい、日本時間で午後4時から日付が変わって午前1時までのことです。
この時間はロンドンの為替市場が開いている時間で、ロンドンの経済が活発となっています。
ただし東京時間と違う点が一つだけあります。
それは、ロンドン市場にはサマータイム制が導入されている点です。
ニューヨーク市場
ニューヨーク市場は「ニューヨーク時間」ともいい、日本時間で午後9時から翌日の午前6時までのことです。
ニューヨーク市場というのは世界最大の市場であり、日本から見れば1日の終わりの市場とも言える市場になります。
ニューヨーク市場が閉まると次のオセアニア市場が始まるので、FXの世界でも1日の始まりといった形になります。
まとめ
バイナリーオプションを攻略するならば、「知識」「情報」「経験」が不可欠です。
知識や情報はシグナルツールを使うとしても役に立つものになります。
ツールによる取引をするとしても、使われているロジックの意味は把握しておきましょう。
元となるデータや背景にある考え方が分かれば、為替相場もわかるようになってきます。
バイナリーオプションで勝つためには、短期的目線でなく長期的目線を持つことが重要です。