【バイナリーオプション】一目均衡表の使い方とトレード攻略方法

この記事ではバイナリーオプションで使えるテクニカル指標である一目均衡表について解説します。

一目均衡表は、テクニカル分析の指標の中でも時間に重きを置いている唯一のインジケーターです。

ラインが5つあり使用の難易度は高いですが、使いこなせると未来を形として見られる実用的かつ珍しいものになります。

一目均衡表とは

一目均衡表とは、「一目山人」と呼ばれる日本人の株式評論家が考えた日本発祥のテクニカル指標です。

一目均衡表が他のインジケーターと異なる一番の特徴は、チャートの将来に向かってテクニカルが表示されることです。
これから先の値動きがチャートを一目見ただけで把握することが出来る事から「一目」均衡表と言われています。

一目均衡表は分析において値動きの「時間」を重視しています。

為替レートの値動きから計算した平均値などの値を
未来(チャートの中では右)や過去(チャートの中では左)へ
ずらすことで時間の経過が値動きに与える影響を立体的に分析することができます。

一目均衡表は、「時間論」「水準論」「波動論」があるとされています。

時間論

時間論は、一目均衡表理論の中でも時間を最も重要視しています。

相場の転換はいつなのか、目標値の達成はいつなのかを予測するために、基本数値や対等数値という数値を用いて時間観測を行います。

相場の変化を示す日を特に変化日といいます。

 

単純基本数値は9、17、26の3つです。
9を2倍して1を引いたものが17、同様に9を3倍して1を引いた26になります。

数字を引く理由は、
9日上げて9日下げた場合、数えるのは最初の安値から高値を9日、高値から最後の安値を9日ですが、
9日目の高値の日を2度数えているので、重複した分1を引きます。

この単純基本数値を組み合わせると33(一期一節)・42(一期二節)・51・65・76(一巡)などがありますが、これらを複合数値と呼びます。

基本数値の単位

9が一節、17が二節、26が三節として、三節を一期といいます。
三期が一巡(=76)、三巡が一環(=226)、三環が一巡環(=676)となります。

相場における基本数値

上昇相場では、

・最初の一波動を一節(9日)
・中間の押し目と最後の一波動と大底からの一波動を二節(17日)

として、これが基本数値とします。

波動はもっとも長いものでも129日か172日で転換すると考えられています。

 

下落相場では、

第一波動は33日として、
一節・二節は一時的な止まり値や中間の戻り値で出現することが多い

とされています。

水準論

それまでの相場の動き(高値と安値)を見て、それから為替がどれくらい上昇するのか(下落するのか)という事を計算式から導き出す物です。

上値・下値を探るための方法として「値幅観測論」を用いていて、一目均衡表では以下の4つの基本パターンがあります。

V計算値

V計算値は、上昇トレンドのときに下げた分の価格だけ上昇から反転して価格が上がりやすい、という計算値です。
下降トレンドの際は上昇トレンドの逆の動きをします。

株式投資市場でいう、「倍返し」ともいわれるパターンです。

価格の変動幅が大きいときにこのV計算値が成り立ちやすい、と言われています。

上昇トレンドのV計算値
上昇目標株価=高値+(高値-安値)

下落トレンドのV計算値
下落目標株価=安値-(高値-安値)

N計算値

N計算値は、上昇トレンドのときに上昇幅と同じ分だけ反発後に株価上昇する、という計算値です。
下落トレンドの際は、反落した地点からその前の下落幅まで株価が下落することとなります。

下記で説明するE計算よりは目標数値が近く、NT計算よりは目標数値が遠くなります。

上昇トレンドのN計算値
目標上昇株価=反発した価格+(高値-その前の安値)

下落トレンドのN計算値
目標下落株価=反落した価格-(高値-安値)

E計算値

E計算値は、上昇トレンドのときに上昇幅と同じようにそのまえの高値から上昇する、という計算値です。
もともとの上昇幅の2倍という考え方もできます。

下落トレンドの際は、その前の下落分がその前の安値から下落するという考え方をします。

上昇トレンドのE計算値
目標上昇株価:高値+上昇幅

下落トレンドのE計算値
目標下落株価:安値-下落幅

NT計算値

NT計算値は、上昇トレンドのときに下落の反発点から上昇の開始点までの価格が、その反発開始点から上昇する、という計算値です。

N計算やE計算と比べると、上昇トレンドの時には下落幅が小さく、下落トレンドのときには戻り幅が小さいです。

上昇トレンドのNT計算
上昇目標値:反発時の価格+(反発時の価格-上昇の開始した地点)

下落トレンドのNT計算
下落目標値:反落時の価格-(下落開始時の価格-反落時の価格)

波動論

一目山人は価格の動きを捉えるために、日々の細かい上下動を省略しピークとボトムを結ぶ直線でモデル化を試みました。

そのモデルは価格変動の本質を浮きあがらせもので、それが波動の概念です。

基本波動

基本波動は、一目均衡表の根本原理の一つです。
上昇し始めた価格は、N波動を完成するまでは下降に転じることはなく、下降し始めた価格はN波動を完成するまでは上昇に転じません。

I波動は、始めの一波動で、上げるだけ、下げるだけの片一方の動きをします。
V波動は、次の二波動で、上げ下げ、下げ上げと動きます。
N波動は、波動論の基本形となるもので、上げ下げ上げ、下げ上げ下げと動きます。
五波動は、N波動が連続した形で波動が5つ続きます。
九波動は、N波動が連続した形で波動が9つ続きます。

N波動の完成に至る過程の波動を中間波動と言います。

S波動は複雑なので、例を示します。

例: 高値Aを更新した後の調整でAの値まで下げたが、この値が支持となり、これを下回らなかった。

以上は典型例ですが、このように高値と押し目、安値と戻り高値が同じ水準で支持・抵抗で止まる点をS点といいます。
直前のものに限らず相場推移の中で押し・戻りの止まりとして機能する高値・安値を言います。

使用に対するメリット

メリットとしては、「雲」を活用する事によって、これから先の値動きを予想出来る事です。

より確かなエントリーの方向性と遅行線によるエントリータイミングを見つけ出す事で良い結果を残せる可能性が高くなります。

使用に対するデメリット

デメリットとしては、多くの指標が同時に表示されるためチャートが見づらくなってしまうということです。
また、一目均衡表自体が見方が難しく、使いこなすまで時間がかかってしまいます。

この一目均衡表に関する書籍などがとても多く世の中にあり、本を読み比べるだけでも一目均衡表の奥深さや難しさが感じられます。
裏を返せば、解釈が分かれていてとっつきにくいという事でもあります。

一目均衡表の見方

一目均衡表は、基本的に以下の5つのライン(線)で構成されています。

・基準線
・転換線
・遅行線
・先行線1
・先行線2

先行線1と先行線2で一目均衡表の最大の特徴の「雲」が構成されます。

基準線

基準線は以下のように計算されます。

計算式: ( 過去26本分のローソク足の上値 + 過去26本分のローソク足の下値 )÷2

過去26本分のローソク足の高値と安値の中間値を結んだラインが基準線です。
こちらは中期(ローソク足26本分)の、移動平均線の簡易版のようなものです。

イメージとしては長期移動平均線と考えるのがいいです。

為替レートが大きく動いたときなどは「高値から安値の半値押し(「押し」とは為替が下がること)」「安値から高値までの半値戻し」「高値と安値を2で割った中間値」が意識されやすくなります。

為替相場の値動きには半値押しや半値戻しが非常によく起こります。

だからこそ、転換線や基準線は相場の転換点をとらえやすいです。

転換線

転換線は以下のように計算されます。

計算式:( 過去9本分のローソク足の上値 + 過去9本分のローソク足の下値)÷2

 

計算式のとおり、過去の9本分のローソク足の高値と安値の中間値を結んだラインが転換線になります。

9日間の値動きの一番高いところと一番安いところの中間値を結んでいった線で、イメージとしては短期(ローソク足9本分)の移動平均線の簡易版だと考えるのがいいです。

遅行線

遅行線には計算式はありません。

終値を単純にローソク足26本分だけ左(過去のほう)に動かしたものが遅行線です。

先行線1と先行線2に挟まれたゾーンが雲になります。

テクニカル指標は数ありますが、チャートの未来の領域にまで表示しているのは一目均衡表の「雲」しかありません

 

未来を予測するのがテクニカル分析の目的ですが、未来に向かって張り出した一目均衡表は未来予測に対して貴重な判断材料になります

雲は過去の値動きの中間値に挟まれた領域を未来に動かしたものなので、「過去に一番激しく売買が行われて値動きが活発だったゾーン」と考えるのがいいでしょう。

そのため、過去に多くの投資家が雲の領域で売買をしてきたので、為替レートが下のほうから雲に近付くと、高値で買った人の戻り売りが出て下落しやすくなります。

「雲」が上値抵抗帯として働きやすいのはこれが理由になります。

 

だから雲は下値支持帯としても機能します。

為替レートが雲の中に入ると、過去に取引した投資家の損益状況もめまぐるしく変化するので乱高下しやすくなります。

分かりやすく例えるならば…
飛行機が雲の中に入ると揺れやすくなるのと同じです。
逆に、為替レートが雲の上や下に出ると、過去の値動きから解放された為替レートは、揺れの収まった飛行機と同じように、一方向に動きやすくなります。
為替レートの「雲抜け」(雲の外に出る)をした場合、為替の動きの勢いが著しく増します。
そのため、トレンドの発生になりやすく、順張りが有効な状況になります。

一目均衡表の使い方

一目均衡表を使ったトレンドの見分け方

先行線1が先行線2より上にある雲は上昇トレンドとなります。

また、反対に下にある雲は下降トレンドということになります。

 

遅行線がローソク足を上抜けたら上昇トレンド入りの可能性が高く、下抜けたら下降トレンド入りの可能性が高いとされています。

ローソク足が雲の上にあれば上昇相場中の可能性が高く、ローソク足が雲の下にあれば下降トレンドである可能性が高いとされています。

トレード方法

主なエントリーポイントは以下の3つです。

・転換線と基準線のゴールデンクロス・デッドクロス
・先行線1と先行線2のゴールデンクロス・デッドクロス(雲の入れ替わり)
・ローソク足が雲に近づいて、雲で反発するとき

転換線と基準線がゴールデンクロスした場合、HIGH(買い)のエントリーをします。
転換線と基準線がデッドクロスした場合、LOW(売り)のエントリーをします。

また、先行線1と先行線2のゴールデンクロスとデッドクロスも同じになります。

 

一目均衡表は「抵抗帯」として機能し、レジスタンスラインとサポートラインとして機能するため、「雲」をレジサポラインとして逆張りができます

「雲」は厚さがあればあるほど抵抗が強いため、逆張りをするときは厚い雲を狙いましょう。

ここも例えるならば飛行機で、雲が薄いと容易に抜けられてしまいます。

そのため、反発の力も弱いものとなります。

MT4の使い方

メニューの

「挿入→インディケータ→トレンド→Ichimoku Kinko Hyo」

を選択します。

パラメーターの設定では

「転換線:9、基準線:26、先行スパンB:52」

と設定しましょう。

最後に色の設定ですが、以下
のような設定がおすすめです。

まとめ

一目均衡表は、テクニカル分析の指標の中でも時間に重きを置いている唯一のインジケーターです。

ラインが5つあり使用の難易度は高いですが、使いこなせると未来を形として見られる実用的かつ珍しいものになります。

他のインジケーターと組み合わせる時に、チャートがごちゃごちゃになってしまう場合、「雲」だけを使用するのもいいかもしれません。

ある程度知識と経験は必要となりますが、一目均衡表を是非使用してみてください。

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